第1話 悪とは何か――弱さから生ずるすべてのものだ。
進学率・就職率100%と言われる進学校・東京都高度育成高等学校に入学した綾小路清隆。しかし彼が所属する1年Dクラスは、進学校とは思えないような問題児ばかりだった。さらに学校は、生徒に現金と同価値のポイ

第2話 才能を隠すのにも卓越した才能がいる。
AからDの各クラスは生徒の能力によって分けられ、Dクラスは『不良品』と呼ばれる生徒が集まる落ちこぼれクラスだった。彼らは入学後1ヶ月間の自堕落な生活のため、学校からの評価を徹底的に落とし、毎月もらえる

第3話 人間は取引をする唯一の動物である。骨を交換する犬はいない
学校側の予想に反し、高得点を叩き出して中間試験を終えたDクラス。その裏には、堀北たちの必死の努力、そして綾小路の暗躍があった。しかし成績面を最も不安視された須藤が、たった1点及ばず赤点となってしまう。

第4話 他人が真実を隠蔽することに対して、我々は怒るべきでない。 なぜなら、我々も自身から真実を隠蔽するのであるから。
須藤がCクラスの生徒に対し、暴行事件を起こした。後日、生徒会立ち会いの下で審議が行われ、結果次第でDクラスはポイントを剥奪されてしまう。須藤の正当防衛を裏付ける証拠探しに奔走する中、綾小路はBクラスの

第5話 地獄、それは他人である。
暴行事件の目撃者と思われる少女・佐倉。彼女だけが須藤の正当防衛を裏付けられるが、佐倉はなぜか審議で証言することを拒否する。結局、佐倉の協力を取り付けることができないまま、審議当日を迎える綾小路たち。答

第6話 嘘には二種類ある。過去に関する事実上の嘘と未来に関する権利上の嘘である。
佐倉の証言により、暴行事件の審議は五分に持ち込まれた。次回の審議をさらに優勢へと傾けるため、方法を探すことになる綾小路と堀北。折りふし、佐倉の周囲に怪しい男の影がチラつく。佐倉愛里のもう一つの顔=グラ

第7話 無知な友人ほど危険なものはない。賢い敵のほうがよっぽどましだ。
夏休みに入っても、孤独を貫く少女・堀北は、誰とも会わず読書と勉強だけの日々を送っていた。そんなある日、綾小路から「男女合同でプールに行こう」と誘われる。普段であれば断るのだが、『とある事情』により誘い

第8話 汝等ここに入るもの、一切の望みを捨てよ。
1年生夏休みの学校行事として行われる南の島でのバカンス。島へ向かう超豪華客船内では、レストランの料理も各種レジャー施設も無料で堪能できる。気を緩めて楽しむDクラスの生徒たちだが、Aクラスの統率者である

第9話 人間は自由の刑に処されている。
南の島へのバカンスは、実は学校の特別試験だった。生徒たちは1週間、決められたルール下で無人島生活を行うことになる。この試験の成績次第で、A〜Dの各クラスが保有するクラスポイントは大きく増減してしまう。

第10話 裏切者の中で最も危険なる裏切者は何かといえば、すべての人間が己れ自身の内部にかくしているところのものである。
特別試験2日目。やっと一致団結し、協力して無人島生活を続けるDクラス。そして綾小路と堀北は、他クラスの調査に乗り出す。高い団結力を活かして生活するBクラス、秘密主義のAクラスなど、他クラスも一筋縄では

第11話 しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。
下着盗難事件が発生してDクラスの団結が崩れる中、堀北はリーダーのキーカードを盗まれてしまう。犯人はいったい誰なのか、それさえも分からないうちに、今度はDクラスのベースキャンプ内で放火騒動が起こる。クラ

第12話 天才とは、狂気よりも1階層分だけ上に住んでいる者のことである。
伊吹にキーカードを盗まれ、さらに体調が悪化して倒れた堀北。綾小路は、拒む彼女を無理矢理にリタイアさせる。リーダーを知られ、2名のリタイアを出し、そしてバラバラになってしまったDクラスの生徒たち。彼らの

第1話 何かを選ぶことこそが、成長の最大の糧となる。
3学期を迎え、DクラスからCクラスへと昇格した綾小路たちは、 全学年合同で行われる特別試験「混合合宿」へと向かっていた。 今まで敵同士だった別のクラスとグループを組む特別試験で、不仲は必至。 だが、ボ

第2話 人にとって、他の人間は獰猛な狼のようなものだ。
協力せず何かと反発する石崎や、自由に振る舞う高円寺がいる綾小路たちのグループ責任者・幸村は上手くグループをまとめられず、険悪なムードが続いていた。 一方、綾小路は独自にある生徒から情報を得ようと行動を

第3話 忘れたいことほど、忘れることはできない。
軽井沢と平田が別れたらしい――Cクラスがその話題で持ちきりになる中、 山内がAクラスの坂柳から呼び出しを受ける。 有頂天になる山内は、堀北の「罠だ」という言葉にも耳を貸すことはなかった。 一方、綾小路

第4話 あなたにできるのは自分の目的のために行動することまでで、その結果を望むようにすることはできない。
バレンタインデー当日。Cクラスの男子たちは、チョコレートを貰えるかどうかで盛り上がっていた。そんな中、綾小路から呼び出されたことに落ち着かない様子の軽井沢だったが、待ち合わせ場所で綾小路と話している最

第5話 運命は勇気ある者を助ける。
掲示板に噂を流したのは、坂柳に命令された橋本――。 石崎や伊吹はそう信じるが証拠はなく、深く追及をすることは出来なかった。 そして、坂柳を筆頭にAクラスがBクラスに乗り込んだという話が綾小路たちに届く

第6話 悪を行うよりも、その悪に傷つけられる方が良い。
学年末試験に全員合格したCクラス。 安堵の空気が教室に流れる中、茶柱から急遽、追加の特別試験『クラス内投票』の実施を告げられる。 試験の内容は、自分のクラスメイトの中から「賞賛に値する3名」と「批判に

第7話 人は自らの本質と向き合うのを避けるためなら、 どんな愚かな行いにも手を染めてしまう。
『クラス内投票』が発表され、疑心暗鬼になったCクラス内は不穏な雰囲気に包まれていた。 そんな折りに、綾小路は2年Aクラスの朝比奈から一之瀬が南雲生徒会長に協力を依頼したという話を聞かされる。 その後綾

第8話 過去を顧みぬ者はそれを繰り返し、裁かれる。
兄の学との対話を経て、特別試験で退学にすべき人物として山内の名を上げた堀北。山内はこれまでクラスへの貢献度が低いだけでなく、綾小路を退学にするために批判票を集めていたのだ。しかも、その裏にはAクラスの

第9話 最高の法は、最大の不正を生み出す。
『クラス内投票』の結果、Cクラスから初の退学者が出た。坂柳はこの特別試験が綾小路を退学させるために用意された舞台装置だと語る。そんな中、綾小路と坂柳の前に、理事長代理を名乗る月城が姿を見せる。月城は綾

第10話 不条理な結論に至る第一の原因は、解決の手段が不足していることだ。
特別試験に向けて、さまざまな対策を考えるCクラス。しかし、どれも決め手に欠けるものばかり。堀北が考えたプランを綾小路は評価する一方で、『クラス内投票』の結果を引きずる平田は、一向にクラスに協力しようと

第11話 愛にはたったひとつの決まりしかない。それは愛する者を幸福に導くことだ。
平田が立ち直り、クラスがまとまりを見せる中、ついに綾小路VS坂柳の1年度最終特別試験が始まった。1戦目に選ばれたのは「バスケットボール」。Cクラスは善戦していたが、それもそのはず、Aクラスは手を抜いて

第12話 欲望のために世界を変えるのではなく、まず己を変えよ。
最終特別試験の結果、Aクラスに惜敗した綾小路たちは、またDクラスへと降格する。しかし生徒たちは1年を通じて着実な成長を遂げていた。特に堀北はクラスメイトの意見を聞いたり、いずれは倒さなければならないB

第13話 愛は最も良い教師である。
春休み。綾小路は椎名から本の話がしたいと呼び出される。一方、橋本と密会をする龍園の前に現れたのはBクラスの神崎だった。クラスは敗北を喫したものの、神崎は龍園に臆することなく対面する。2年生への進級を前

第1話 困難の中でこそ、平静な心を保たねばならない。
無人島での試験を終え、綾小路清隆たち1年Dクラスのメンバーは豪華客船で夏休みを堪能していた。 ところが休息も束の間、新たな特別試験が。 軽井沢恵らと同じ部屋に呼び出され説明を受ける綾小路。 今度の試験

第2話 あらゆる罪の源たる、ふたつの大罪がある。焦りと怠惰だ。
「シンキング」試験の1日目が終了。 膠着した状況を打破するために、綾小路は平田たちと 話し合いをしていたそのとき、携帯に一通のメールが届く。 その内容に苛立ちを募らせる堀北。 一方、綾小路は軽井沢の行

第3話 最高の魂は、この上ない悪徳と極限の美徳を発揮できる。
Cクラスの真鍋たちに詰め寄られ、取り乱す軽井沢。 綾小路はその様子を冷静に観察しようとするが、 我慢できなくなった幸村が軽井沢たちの前に飛び出してしまう。 綾小路は異常な怯え方をする軽井沢を見て、何か

第4話 人材は作り出す必要がある。
2学期を迎え、体育祭の準備期間が始まる。競技の結果は良くも悪くも次の筆記試験に影響するため、生徒たちは動揺を隠せない。さらに独特のチーム分け、生徒に委ねられた出場者の選出など、生徒たちにのしかかるプレ

第5話 すべての失敗は成功への過程に過ぎない。
櫛田に疑念を向ける綾小路。他クラスの偵察という名目で堀北と櫛田を引き合わせる。そこで堀北は予想外の行動を見せる。体育祭当日、堀北や須藤の活躍もあり赤組は幸先のよいスタートを切るが、綾小路は結果に冷やや

第6話 逆境は真実へと至る最初の道筋である。
Dクラスの生徒たちと衝突し、怒りのままに体育祭を抜け出した須藤。そんな彼を追いかけたのは、堀北だった。須藤を呼び止め話し合いの場を設けた堀北は、須藤からの反発を受けながらも、辛抱強く彼に向き合おうとす

第7話 すべてを疑うこともすべてを信じることも共に安易で、思考を放棄するに等しい。
生徒会長の引き継ぎ式が終わり、綾小路は佐藤から突然の呼び出しを受ける。そんな中、中間テストの試験結果が発表され、Dクラスは退学者ゼロを達成する。だが茶柱曰く、本番は期末テストとして行われる特別試験、通

第8話 胸の底で、傷は静かに生きている。
ペーパーシャッフル対策の勉強会が開かれ、幸村を中心としたグループに参加することになった綾小路。同グループの長谷部・三宅ペアは得意科目も苦手科目もまったく同じであり、問題によっては簡単に共倒れしてしまう

第9話 過ちを犯しながら、それを改めないことをこそ、真の過ちという。
ペーパーシャッフルの裏で、堀北と櫛田の退学を賭けた勝負が始まった。片や勉強会に参加する綾小路の前に、龍園が現れる。龍園から送られたメールについてふっかけられるが……。

第10話 人々は常にその破滅を願っている。偽りの善に欺かれるがゆえに。
クリスマスを前にして、浮き足立つ生徒たち。軽井沢もその一人で、街中のクリスマスの雰囲気を楽しんでいた。だが、佐藤と一緒に放課後を過ごしていると、Cクラスの生徒に尾行されていることに気づく。さらに、綾小

第11話 自分自身を御せない者は、いつまでも奴隷のままだ。
綾小路との協力関係が突然解消となった軽井沢は、彼との接点が完全になくなることに戸惑いを隠せないでいた。そんな中、Dクラスで今後の方針を相談しているところに、龍園たちCクラスが高圧的に現れる。

第12話 思慮なき力は自らの質量によって崩れ去る。
黒幕の正体を暴こうとする龍園に拘束され、追い詰められる軽井沢。フラッシュバックするいじめられた記憶――。さらに追い打ちを掛けるように黒幕が軽井沢を利用していたことを突きつけられるが、それでも軽井沢は綾

第13話 あなたが出会う最悪の敵は、常にあなた自身だ。
先の事件を経て、軽井沢は自身の中に大きな気持ちの変化があることに 気づき始めていた。 そんな中、佐藤からクリスマスに綾小路とデートするのだと相談される。 軽井沢は複雑な思いを抱きつつも佐藤の相談に 真